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“大化け”の気配! 女優・芋生悠の表情に注目 「ソワレ」28日公開

 28日公開の「ソワレ」(外山文治監督)は、芋生悠(いもう・はるか、22)という女優の表情をみるだけでも価値がある作品だ。

 芋生の特徴は、その個性的なたたずまいにある。いつもどこか遠くを見つめている寂しげな目が印象的なのだ。すでに多くのCMにも出演している彼女だが、今人気の村上虹郎(23)と組んで、現代の若者の生きづらさを生々しく映し出している。心に残る映画といえるだろう。

 ストーリーはこうだ。翔太(村上)は役者になる夢を抱いているが、仕方なくオレオレ詐欺の片棒を担いでいる。生まれ故郷に劇団と慰問に訪れた高齢者施設で、父親から性的乱暴を受けていたタカラ(芋生)を助けるが、タカラがふとしたはずみで父親をハサミで刺してしまう。慌てた翔太はタカラとともにあてのない逃避行に出る…。

 とにかく芋生の演技がいい。逃げ場のない人生に絶望し、悲しみの色を顔に表すが、思えばこの表情は演技で出せるものではない。しかもレイプシーンではこの若さでバストトップもあらわに演技する覚悟がある根性も見上げたもの。

 最近のCMでも、バスやベッドで持った手羽先がスマホに変わる、あのCMだが、そこでも哀愁の漂う表情がしみだしている。

 つまり芋生の表情は天然ではないかと思う。スクリーンで作られた表情はたくさん見てきたが、これほど悲しげな表情ができる女優は稀有ではないだろうか。

 イマジネーションの欠落した最近の映画を見ていると、彼女がすごくリアリティーにあふれる女優だと分かる。ちなみに芋生というのは本名で、出身地の熊本に芋生城跡という遺構があるという。世が世ならばお姫さまだったりして…。

 冗談はともあれ本人も確固たる芯の通った役者として周囲から認知されているというから、今後が楽しみな女優である。大化けする気配が濃厚だ。(望月苑巳)

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