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【シネマパラダイス】死を前に悲嘆にくれるのではなく、淡々と物語を描いていく大人な作品 「ポルトガル、夏の終わり」

 『人生は小説よりも奇なり』のアイラ・サックス監督が、イザベル・ユペールのために書き下ろした人生讃歌。

 女優フランキー(ユペール)は夏の終わりのバケーションと称し、この世のエデンと呼ばれるポルトガルの世界遺産の町シントラに、一族と親友を呼び寄せる。実は彼女は自らの死期を悟っており、自分が亡き後も皆が問題なく暮らしていけるよう、段取りを整えようとしていたのだ。しかし、皆それぞれに問題を抱え、フランキーの思い描いていた筋書きから徐々に外れていき…。

 シントラの町がとにかく美しい。女優陣が身につける衣装とのコントラストも色彩豊かで見事。上映時間1時間40分。14日公開。

 【ホンネ】死を前に、悲嘆にくれるのではなく、淡々と物語を描いていく大人な作品。そのため、ちょっとした騒動でも光る。その後の希望を匂わせるラストも秀逸。(映画評論家・安保有希子)★★★

 ★5つで満点、☆=星半分

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