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【中本裕己 エンタなう】クセが強いニコラス・ケイジ節が炸裂! 「カラー・アウト・オブ・スペース-遭遇-」

 いまハリウッドで一番クセが強いニコラス・ケイジが主演するのは、怪奇小説の大家ラヴクラフト原作の映画「カラー・アウト・オブ・スペース-遭遇-」(公開中)。理不尽にキレて、血しぶきが飛ぶ怪演に、ますます磨きがかかっている。

 アカデミー賞俳優のプライドをかなぐり捨て、大作やB級C級問わず奇妙な作品に出まくる56歳。ファンが“ニコケイ映画”と偏愛する作品群の中でも本作はピカイチだ。

 都会の喧噪を逃れ、大自然の一軒家に移り住んだガードナー家。ネイサン(ケイジ)と妻テレサ(ジョエリー・リチャードソン)、娘と息子2人が夢見た理想の暮らしは、前庭への隕石衝突で砕かれる。一家は、極彩色の閃光とともに、地球外生命体に心と体を蝕まれてゆく。隣人のヒッピー老人や、水質に詳しい科学者の協力を得て“敵”との闘いに挑むが…。

 SFファンには「宇宙からの色」のタイトルで知られるラヴクラフトの小説をリチャード・スタンリー監督が20年の準備期間を経て映画化した。

 井戸水の色が変わり、異常に育った野菜は変な味に、飼っていたアルパカや愛犬の変貌…ゾワゾワと迫りくる恐怖を一家と同時体験しながら、映像は嫌なモノ見たさでページをめくる感覚。家長のネイサンは、とても正気でいられず、妻への深い愛と、反抗期の子供たちへの八つ当たりで錯乱。豹変するネイサンの暴走が、幻想神話に新たなスパイスを加え、悪夢が倍増する。後味の悪さが快感に変わった。(中本裕己)

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