痛みと不安…10代の一時期に誰もが陥る感覚 映画「mid90s ミッドナインティーズ」 (1/2ページ)
米俳優ブラッド・ピットとの共演作でアカデミー賞にもノミネートされた若手実力派俳優のジョナ・ヒルが、初めて監督に挑んだ映画「mid90s ミッドナインティーズ」(9月4日公開)。
タイトル通り1990年代半ばを描いている。舞台は監督が過ごしたロサンゼルス。よって半自伝的な映画だと宣伝パンフにはうたわれているが物語はかなり普遍的なローティーンものだ。
主人公は13歳の少年スティーヴィー。プロのスケートボーダーで俳優のサニー・スリッチが、希望より不安が勝る、ゆがみも併せ持った少年の内面をうまく演じている。
シングルマザーに育てられている。少し年上の兄がいるが、かなりの圧政的な存在。よって2人の間に、友好的な関係性は存在しない。
スティーヴィーが興味を持つのはスケートボード。暗くなっても家の前でスケボーの技を磨く。
ある日、街のスケボーショップに出入りする年上のグループと知り合う。まだ明確な価値観を持ち合っていないスティーヴィーに、それぞれが何の裏付けもなく思い込みを押し付けてくる。
そういった考え方の危険性に加え、アルコールやドラッグ、たばこなど10代が不良や大人を気取るために手を出しそうなアイテムが13歳の少年に迫る。危機を感じた母親が立ちはだかろうとするが、スティーヴィーにはその真意が届かない。