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中国産CGアニメがディズニーやピクサーを駆逐する 市場規模1兆円「中国映画ビジネス」 (1/8ページ)

 日本のミニシアターでロングランヒットを続けているアニメ映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』は、中国では2019年9月4日に公開され、中国国内で3.1億元(約48億円)の興行収入を記録した。

 記事の前編<異例のロングランヒット、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の舞台裏に迫る>では日本配給を手掛けたチームジョイの白金氏に同映画がロングランヒットを続けている要因を、中編<『鋼の錬金術師』監督が語る、中国アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』ロングランヒットの訳>ではアニメーション監督の入江泰浩氏に『羅小黒戦記』の魅力と、日本で人気が広がる過程について聞いた。

 後編ではアニメビジネスに詳しいジャーナリストの数土直志氏に、アニメ業界で生まれつつある日本と中国との新しい関係を聞く。

■2019年は「中国アニメ映画元年」

 19年の中国映画市場では、他にも中国製アニメ映画が相次いで大ヒットしている。まず、19年1月に中国で公開された『白蛇:縁起』が、4.49億元(約68億円)の興行収入を記録。中国の映画市場で最も書き入れ時となる旧正月の2月には、中国の人気CGアニメ映画シリーズ第6弾『熊出没・原始時代』が公開されて、7.11億元(約107億円)の興収を上げている。

 そして特筆すべきは、7月に中国で公開された『ナタ~魔童降臨~(●(=口へんに那)●(=口へんに託のつくり)之魔童降世)』だ。道教の少年神である●(=口へんに那)●(=口へんに託のつくり)(なた)を主人公にしたこの作品は、中国の映画市場で50億元(約770億円)もの興行収入を記録。日本でも話題を呼んだ『三体』と同じ作者によるSF小説を実写映画化した『流転の地球(流浪地球)』や、中国でも大人気の『アベンジャーズ/エンドゲーム』といった強力なライバルを押さえて、アニメ映画で初めて中国映画市場の興行収入年間1位に躍り出ている。

 それまでの中国製アニメ映画で最も多くの興収を上げたのは、『西遊記 ヒーロー・イズ・バック(西游記之大聖帰来)』の9.56億元(約144億円)だ。過去の中国映画市場で最もヒットしたアニメ映画は、ディズニーの『ズートピア』で15.3億元(約230億円)というから、その約3倍もの興収を記録した『ナタ~魔童降臨~』が、いかに桁外れの大ヒットなのかがよく分かる。(以上の興行収入はいずれも、中国国際放送局 CRI Onlineより)

ITmedia ビジネスオンライン

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