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「麒麟がくる」前半のMVP! “汚れ役”斎藤道三が本木雅弘を男にした ナイナイ岡村も不可欠な存在に

 残念ながらコロナ禍で放送が休止されているNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。知られざる明智光秀を描いていることもあり、視聴率も好調だ。しかし、ここまでのMVPは間違いなく斎藤道三を演じた本木雅弘(54)といえるだろう。

 前半の山場といえる息子の斎藤高政との一騎討ちのシーンは、鬼気迫る演技をみせた。重い鎧を着け、長くて重い槍を大きく振り回す。道三は息子の高政を本気で突き刺そうとしている。すさまじい表情は視聴者を圧倒した。

 彼が発するせりふは道三が地獄からよみがえったようでもあった。

 殺陣は数日かけて練習したというが、間違いなく道三が乗り移っていた。「わが子、高政、愚か者。勝ったのは、道三じゃ」と絶命した。

 美濃のまむしといわれた、狡猾な道三はいわば悪党の汚れ役。それだけにこれ以上難しい役作りはない。だが本木は見事に道三を演じきった。

 本木は「僕なんて大した俳優ではない…」と自信なさそうに映画関係者に漏らしていたことがある。そのとき「その整った顔は誰もいない。君こそ主役の顔なんだ!」と励まされていた。彼は整いすぎた自分の顔に、コンプレックスを持っていた。道三と出会うまで時間がかかったが、本木を男にしたのは斎藤道三だった。

 次点は三河出身の農民、菊丸を演じるナインティナインの岡村隆史(50)だろう。ラジオの深夜番組で女性蔑視ともとれる発言をし、批判が集中したが、これを吹き飛ばした。

 芸人である岡村の演技を心配する向きもあったが、出演を重ねるごとに彼の狂言回しは番組に不可欠な存在になった。場数を踏んだ脇役のように巧妙でリアル感がある。今後、岡村のドラマ出演は激増するだろう。(芸能文化評論家・肥留間正明)

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