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【こだわりの極意】Harunaが仕上げた“極上の新盤”をじっくり堪能

 配信リリースされたHarunaのアルバム「Unubore」を再生した途端、なぜか新しくも懐かしい郷愁がよみがってきた。

 遅ればせながら、ブライアン・ウィルソンやコーギス、ロジャー・ニコルズに初めて出会った1980年代終わり。世の中は大バブルまっただ中だった。

 お店で飲めば、見ず知らずのIT業界の人が店内全員の会計を知らないうちに支払い、ディスコ、クラブでは4つ打ちユーロビート大音量の中、お立ち台で踊り狂い、道端では例えワンメーターの距離でも万札をヒラヒラさせて千鳥足でタクシー争奪戦。

 今とは違う意味で混沌かつ狂乱の時代に、彼らの音楽に「君たち、こんな音楽もあるんだよ」と優しく教育された日々が、彼女のアルバムを聴いて思い出されたのだ。

 Haruna、そして、このアルバムをプロデュースした清水俊也氏とは「My Anniversary SONG」というBS朝日の番組で共演した。

 2人ともものすごく高度なアーティスト、プレイヤー、そしてアレンジャー。番組で初めて、その歌声を、そのプレイを聴いたとき、他の人とは何か違う匠感に震えた。

 アルバムの話を聞いたとき、一刻も早く聴きたかったが、こんなにもすぐにその夢がかなうとは。これが真の音楽活動。お互いがお互いのことを音楽的に深く理解してるからこそ、仕上がった極上のアルバムだ。

 Harunaの独特のザラついた声に、澄み切った声など声の使い分けがハンパない。そして清水氏の百戦錬磨のセンス。おそらくありとあらゆる現場で磨かれ続けてきた2人の技、そして、その魅力を、今こんな時代だからこそ、じっくり音だけに集中して堪能したい。

 次回、2人に絶賛の言葉を浴びせかければ、おそらくこういうだろう。

 「いやいや、ぜんぜんですよ」

 ■高嶋政宏(たかしま・まさひろ) 1965年10月29日生まれ。東京都出身。87年、映画『トットチャンネル』で俳優デビュー。27日から放送が再開されるドラマ『SUITS season2』(フジテレビ系)に出演予定。また、映画『ぐらんぶる』が8月7日に公開される。

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