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【素顔のボブ・ディラン】幼稚園にギターを持ってふらりと現れ… (1/2ページ)

 いつだったか、カリフォルニアの幼稚園児が帰宅して親に「ギターを持った変なおじさんが歌いに来たんだよ」と伝えたと、ボブ・ディランの動向がニュースで流れたときは笑えた。孫娘の通う幼稚園で歌を聴かせてやろうと思いついての突発的行動だったのか、居合わせた父母や先生方はさぞや焦ったことだろう。

 21世紀になって、発表した『自伝』はベストセラー、マーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー『ノー・ディレクション・ホーム』がテレビ放映され、アルバム『モダン・タイムズ』はチャート1位、250万枚のヒット。孫世代にまでファン層を広げようと思ったのか…。

 次々と過去の未発表音源をブートレグ・シリーズとして発表するレコード会社、新作映画のサントラにアカデミー賞を贈って栄誉と人気をあおるハリウッド。ノラ・ジョーンズやアデルや次世代スターもカバー…。だが、どんなに神話化が進もうと“ディラン・イズ・ディラン”。誰も彼を操ることはできない。

 あらゆるレッテル貼りや押しつけの栄誉を嫌い、いつも自由であろうとしてきたディラン。そんな彼にはノーベル文学賞も正直“迷惑”だったのかも。

 「アーティストが一番自由に自分を発揮できる場所はステージ。それで始まったんだよ」と1988年から昨年まで実に3000回に及ぶ、いわゆるネバー・エンディング・ツアーの発端を語るのは弟分シンガー、エリック・アンダーソン。

 「法の外で生きるには正直でいることさ」というディランの歌を人生のモットーに独立独歩、時代の荒波を生き抜こうとする人々は少なくない。

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