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【シネマパラダイス】フランス社会が抱える闇をリアルにえぐり出す 「レ・ミゼラブル」

 ビクトル・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』の舞台になった街で展開する社会派問題作。

 パリ郊外の街モンフェルメイユ。今は移民や低所得者が多く住む犯罪地域と化していた。新たに赴任した警官ステファン(ダミアン・ボナール)は仲間とともにパトロールをしていた。ある日、1人の少年が引き起こした出来事への警察の対応がギャング団やムスリム集団を巻き込んだ大事件に発展していく。この街出身の黒人監督ラジ・リが自らの体験からインスパイア。28日公開、上映時間1時間44分。

 【ホンネ】貧困と経済的疲弊、警察の堕落と民族間対立。フランス社会が抱える闇をリアルにえぐり出している。権力者に抑圧された弱者たちの怒りが爆発するラスト30分のスタイリッシュな映像が緊迫感たっぷり、まさにミゼラブル(悲惨)を伝える。(映画評論家・山形淳二)★★★★☆

 ★5つで満点

 ☆=星半分