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【桂春蝶の蝶々発止。】世間の常識を無視した「第2芸能界」をつくっては? アーティストはみんな「みにくいアヒルの子」だ (1/2ページ)

 合成麻薬「MDMA」を所持したとして、麻薬取締法違反容疑で女優の沢尻エリカ容疑者が逮捕された事件には驚きました。麻薬、脱税、反社会勢力との絡み。昨今の芸能業界は乱気流です。そのうえで、あえてお伝えしたいことがあります。

 「時代遅れと言いますが、時代がいつも正しいとは限りません」

 私はこの言葉が好きです。物事の価値観は時代によって変わるもの。それに合わせる生き方も良し、無視して心まかせに生きるのも素敵です。

 例えば、昭和の時代は「芸能人は不真面目であるべき」という不思議な価値観がありました。浪曲師、京山幸枝若(きょうやま・こうしわか)先生の「浪花しぐれ~桂春團治」に、「酒も呑めなきゃ女も抱けぬ、そんなど阿呆は死になされ」という一節があります。「呑む、打つ、買う」の三拍子がないと芸人ではないと言われ、無理して演じる時代でした。無理して呑んで死んだ人もいる。世間の価値観に合わせた「殉死」です。

 しかし、平成から令和、価値観は180度変化します。企業のCM広告が収入であるテレビは、芸能人に企業の顔となることを求める。「清く、正しく、美しく」が、芸能界の常識となります。

 そうした価値観が「法律のように」蔓延(まんえん)するSNSは、少しでもその常識から外れる人を撲滅するようになった。「1億総GHQ化時代」の到来です。

 結果、昭和の「呑む、打つ、買う」の価値観は葬られ、「酒も呑めなきゃ女も抱けぬ、そんなど阿呆は死になされ…」などと言う輩は「大炎上」する対象となりました。法律以外、物の善悪なんて、時代によって変化し続ける曖昧なものです。

 私はふと思います。そもそも、芸術・芸能とは世間の価値観に合わせる必要があるものなのかと。アーティストは、世間では「異類」である確率が高い。

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