【男が惚れる 優作ファッションの秘密】いつも黒か白のスーツで、愛車はベスパ 「探偵物語」の工藤俊作は松田優作のセンスから生まれた (1/2ページ)
ファッションから松田優作を振り返るこの連載の最終回はやはりご存じ「探偵物語」。
主人公は東京に探偵事務所を構える自由とユーモアを愛する男、工藤俊作。午前中と日曜は仕事をしない主義、職業蔑視はしない主義、コーヒーに砂糖とミルクは入れない主義など数々の主義を持つ。
いつも黒か白のスーツで、黒なら赤シャツに白タイか青シャツに青タイ、白なら黒シャツにピンクタイ。ベルトはせずサスペンダーでソフト帽にサングラス。冬はこのスタイルにベージュのダウンジャケット。
愛車はベスパP150Xをノーヘルで乗る。たばこはキャメル。常にカルティエのライターの火力をマックスにして吸う(当時この吸い方をまねして眉毛を焦がした人も多い)。就寝時はピンクのパジャマにアイマスクをして眠る。コーヒーのブレンドにうるさく自分で入れて飲む。シェリー酒と酪農牛乳も愛飲。
工藤探偵事務所は渋谷の設定だが、SHOGUNの「BAD CITY」で始まる有名なオープニングシーンは、神田淡路町の同和病院の屋上(現在はない)。
松田優作の役作りに対するこだわりとユーモアのセンスが生んだ人気キャラ工藤俊作は、リアルタイム世代のみならず、ジーパン刑事を知らない世代も再放送で影響を受けた人も多い。
人気ブランド「アンダーカバー」のデザイナー、高橋盾は探偵物語をリスペクトして工藤俊作風スタイルをコレクションで発表している。