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【ぴいぷる】実はちゃめっけたっぷり! 麿赤兒、恨みの消化法は笑い飛ばすこと「つらいな。ワッハッハッ」 (3/3ページ)

 一般的なダンスカンパニーでは、ひとつの流派しか持たないものだが、同カンパニーでは、メンバーそれぞれに流派を持つことを認めている。

 「ある程度の修業期間を経たら、それぞれの創造力を働かして化学反応を起こしていけばいい。『俺の言うことを聞け』なんて、そんな面倒なことはしませんよ。自分が絶対ではないですから」

 器の大きな人なのだ。そんな彼が作る舞踏の作品にはすべて「この世に生まれ入ったことこそ、大いなる才能とす」というメッセージがベースに込められている。

 「僕はコンプレックスの塊でしたからね。顔はしわだらけだし、足は短いしとか。でもコンプレックスをそのまま出せばいいんじゃないの? というのがあったんです。またその人が無意識的にその場にいるだけでも、すでに表現だ、みたいな思いがあります。人間に限らず、犬でも昆虫でも、生き物すべてが表現者という気持ちでいるんです」

 全生物に対して肯定する懐の深さを持っている。彼の生き方そのものがすでに表現なのだろう。(ペン・加藤弓子/カメラ・三尾郁恵)

 ■麿赤兒(まろ・あかじ) 大駱駝艦主宰、舞踏家、俳優。1943年2月23日生まれ、76歳。奈良県出身。65年、唐十郎の劇団「状況劇場」に参画、66年から舞踏家・土方巽に師事。72年に舞踏カンパニー「大駱駝艦」を旗揚げした。常に新作を国内外に向けて精力的に振り付け・演出・上演し続ける一方、映画、テレビ、舞台でも独特の存在感を放っている。2018年に種田山頭火賞など、数々の賞を受賞している。

 近年の映画出演作として、『関ヶ原』『翔んで埼玉』『凪待ち』などがある。11月21~24日、東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで、俳人・種田山頭火をモチーフにした新作『のたれ●』を上演する。

 長男は映画監督の大森立嗣、次男は俳優の大森南朋。

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