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【桂春蝶の蝶々発止。】台風15号秘話 “紙新聞の必要性”を深く感じる南房総「房日新聞」と読者のつながり (1/2ページ)

 現代社会における「紙の新聞」の必要性とは何でしょう? 最新情報はパソコンやスマホから取れるいま、どうやって生き残っていくのか…。これは新聞界全体の命題でもあります。

 こうしたなか、紙の新聞だからこそ届けられた、こんなお話を一つ。

 千葉県は台風15号で甚大な被害を受けました。とりわけ、私の家内の故郷、鋸南町などの南房総は深く傷つき、いまも被災した方々は復旧に頑張っておられます。

 その南房総では「房日新聞」が発行されています。会社理念は、地域の方々の温度、体温を伝えてゆくこと。読者の方々とのコミュニケーションを大切にすること。

 家内の実家でも愛読してますが、すべてが地域の情報なんです。地元の陸上大会や子供のコンクール、高齢者の俳句、どこの海でクジラを見た、鹿やイノシシが畑を荒らす、たずね犬・たずね猫のコーナー、そして地域コミュニティーで大切な祝儀・不祝儀の情報…。房日新聞は、それらの掲示板でもあるのです。

 台風15号で南房総が停電していたなか、房日新聞は小さな家庭用発電機と、数台のパソコンで2ページの新聞を発行しました。輪転機はさすがに動かないため、印刷は千葉県北部に外注しました。冷房も使えないなか、汗だくになって被災地の現状を伝えたのです。

 当時、南房総の人々は電話もネットもつながらない状況でしたが、ポストにいつものように新聞が届いていることに、安心とぬくもりを感じたそうです。そして、わが街の被災状況を知るに至ります。紙でなければ伝えられない情報や、ありがたみが存在したのです。

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