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【ぴいぷる】サラリーマンから落語家に 三遊亭兼好、転職先は“天職”…でも「おすすめしません」 (1/3ページ)

 ■スクーター乗って“ぼんやり”志願

 「立ち姿を写真で撮られることって落ち着かないんですよ。座ってたら、走ることだってできるんですがね」

 窓際に立ち、カメラを向けられるとそんな言葉がつい。

 「NHKの番組で田楽を食べるシーンがあったんです。何もなきゃ普通にできるんですが、実際に食べるとなると、急にぎこちなくなって。本当にダメですね」

 今年芸歴20周年を迎えた。円楽一門会のホープとして、江戸落語を牽引する。穏やかな語り口が独特の空気感を作り出す古典の正統派だ。

 「20年なんてあっという間でしたね。落語家だとようやくスタートですよ」と振り返る。二松学舎大学を卒業し、一般企業に就職。その後、築地の魚河岸で働いていたが、28歳で落語家の道へ。「魚河岸の仕事終わりに寄席に通ううちにはまっちゃって」というが、すでに妻子もいたというから、さぞかし一大決心だったろうと思いきや…。

 「ものすごく考えて、よしこれで行こうというのではなかったんです。多くの噺家の先輩方がそうなんですけど、どこかぼんやりしてるんです。本当に真剣に考えたら、その道は選ばないでしょうからねえ」

 知り合いから師匠である三遊亭好楽の家を聞き、スクーターで弟子入り志願に向かった。年齢のことで断られた。その後も妻子がいるとか何かと理由を付けて断られ続け、4度目でようやく入門を認められた。

 「弟子を持つ立場になって分かったんですが、正直、落語家でやっていけるのはほんの一握り。お金になる商売じゃないので断るんですよ。おすすめはしませんね。あとね、弟子を取るということは、言ってみれば自分でライバルを増やすわけですからね」

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