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【ぴいぷる】小坂忠、ステージ4の大腸がんからライブ復帰 「残ったのは歌いたい気持ちでした」 (1/3ページ)

 手術して2週間ぐらい本当につらかったの。痛くて眠れない日が続きました。そんなとき、元気になったら何をやりたいかって考えたんです。いろんなことを考えましたが削いで、削いで、削いで、残ったのはやっぱり歌いたいって思いでしたね」

 今年デビュー50周年を迎えた大ベテラン。昨年9月、ステージ4の大腸がんを切除したことを公表。闘病を続け、今年3月に本格的にライブ復帰したところだ。

 このときのライブは、ティン・パン・アレー(細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆)と録音した名盤「ほうろう」(1975年)を完全再現。鈴木や小原礼といった盟友とともにステージに立った3月のライブの様子はCD「HORO 2018 SPECIAL LIVE」に収められ、発売されたばかり。

 「歌いたいという気持ちの中で、いったい何を歌おうかと考えたとき、やっぱり僕のキャリアの中では『ほうろう』は特別なんですよ。ひとつの分岐点だったから、元気になったら、またここから始めようという思いでした」

 それだけ思いも強い。

 「アルバムを作った75年から40年以上たってね、いろんな人生経験をしてきました。だから、同じ曲を歌っても、詞の心への響き具合が全然違うんだよね」

 怒濤の人生だ。デビュー以来、日本のロックやR&B、ソウルシーンを牽引してきたが、76年、娘が大やけどの重傷から回復したことを機にクリスチャンになり、ゴスペルソングに軸足を移した。

 「76年からは時間の流れがまったく変わりました。音楽の可能性って、自分が考えていたよりもずっと大きいなと思ったんです。デビュー当時も新しい音楽をやりたいって思っていたけど、教会音楽をするようになっても、もっと若い人に聴いてほしくて、パイオニア的な立場で新しいレールを敷いていった。これは僕たちの世代の宿命ですね」

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