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【桂春蝶の蝶々発止。】父、二代目春蝶と枝雀師匠 命の意義を問う創作落語のきっかけ (1/2ページ)

 私にはライフワークにしている活動があります。戦争や自然災害、事故や病などを通して命の意義を問う「落語で伝えたい想い」という創作落語です。夏場は各地で平和講演が開催されるため、シリーズ第4作「ニライカナイで逢いましょう~ひめゆり学徒隊秘抄録」という、沖縄戦を舞台にした人情噺を演る機会をいただきます。

 笑いがメーンと思われがちな落語の世界で、なぜ戦争など、シリアスなテーマをやるのか? 明確な理由があります。まず、私の少年期の経験から話しましょう。

 私の父は二代目桂春蝶。「お酒とタイガース」をこよなく愛した噺家で、関西では絶大な人気を誇っていました。流麗でシャープな芸風、社会風刺も得意でしたが、かわいげがある。それでいて誰よりも繊細で、打たれ弱い一面も持っている人でした。

 30代後半、父は大病を患い、そこから肉体的にも精神的にも病んでいきました。家族には「もう自分の生き場所がない。死んだ方がマシだ」と、こぼす毎日。早い話が鬱状態です。

 そんな親父の親友が同業者にいました。桂枝雀師匠。「爆笑王」の異名を持つ天才噺家です。

 枝雀師匠がわが家に遊びに来られたとき、玄関に上がるやいなや、「大助くん(=私の本名)、君は何か、悩み事はないかな?」と聞きました。

 いきなりヘンな質問ですが、答えた方がいい気がして、私はさらりと「織田信長が本能寺の変で死んだと言うけど、誰も見てないのに、なぜ死んだと言い切れるのかと思うと悩みます」と言ったんです(笑)。

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