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【中本裕己 エンタなう】男同士の絆再び…50代の「スタンド・バイ・ミー」といえる映画「30年後の同窓会」

 どこか気恥ずかしくて敬遠しがちだった同窓会も、50代半ばには参加者が増え始めるものだ。映画「30年後の同窓会」(公開中)はそんな共感の延長にあるが境遇はちょっと特殊。かつてベトナム戦争に海兵隊として従軍し、痛みを分かち合った3人が邂逅する。

 ひとりで酒浸りになりながらバーを営むサル(ブライアン・クランストン)の店に、音信不通だった旧友のドク(スティーヴ・カレル)が突然現れる。一晩飲み明かし、ドクの頼みで古い教会に車を走らせるサル。日曜礼拝を仕切る生真面目な黒人牧師ミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)は、疎遠になっていた仲間のベトナム帰還兵だった。

 サルは一番ワルで女たらしだったミューラーの変貌に驚く。一方、ドクは2人に再会した真意を明かす。最愛の妻を病気で亡くし、2日前には21歳のひとり息子がバグダッドで戦死したという。悲しみに耐えかね、息子の遺体を連れ帰る旅への同行を2人に懇願するのだった。

 つらいドライブだが、車を走らせるほどに3人は若い頃の下品なスラングを取り戻して打ち解ける。道中では、3人の間に亀裂を生んだ戦地での“ある事件”が明かされる。遺体を預かる軍施設では息子の上官と“死因”をめぐりケンカも。物語はベトナムとイラク戦争を結んで国家への不信感と愛国心の間で揺れ、男同士の絆が再び深まる。

 涙あり笑いあり。50代の「スタンド・バイ・ミー」といえる良作だ。(中本裕己)

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