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【伝説から50年 ウッドストック体験記】豪雨で中断も踊りながら大合唱 みんなのエネルギーは本当にすごかった… (1/2ページ)

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 身をかきむしって“きみの助けがあれば、きっとうまくいくよ”と熱唱する元祖エアギター男、ジョー・コッカー。彼のステージが終わる頃から、暗雲がたちこめると落雷と豪雨となった。

 前日、サイケデリック・サウンドを代表するグレイトフル・デッドのステージが音響装置の配線ショートで火の玉が上がり悪夢に変わった。まかりまちがえば何万人が感電死する恐れもあった。そんなことを思い出させる雨だった。

 「照明タワーから降りて周囲から離れるんだ」

 マイクでアナウンスを続けるMCのジョン・モリスはヒーローだった。プログラムは中断。それでもめげず「雨やめ、やめ雨!」と踊りながら合唱するみんなのエネルギーは本当にすごかった。

 雨がやむとフェス会場は新スポーツ、マッド・スライディングの一大ステージに変貌。印象的だったのは、互いの手をとって踊っていた白人と黒人の子供たち。素っ裸のふたりの輪はたちまち、大勢の人の輪になった。みんな全身泥だらけで笑っていた。「あのふたり、未来から来たタイムトラベラーみたいだな…」と誰かが言っていたっけ。残念ながら、その未来は2018年の今でもないようだが。

 ポータサンという移動設置トイレを見たのも初めてだった。バキュームカーは来たが会場を出られず、結局、畑の土をかきだして作った溝に流しこんだら、翌年その丘はトウモロコシが大豊作になったとか。

 「きみたちは世界に証明したんだ。たとえ50万人だって一緒になれば、争いひとつなく、音楽を聴きながら楽しく過ごせるんだってことをね」

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