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【みうらじゅん いやら収集】習字嫌いにもグッときた… ポルノ映画のタイトル文字 (1/2ページ)

 『夢』とか『希望』とか『平和』とか、そんなのばっか。

 一文字から二文字、『明るい村』とか『宇宙旅行』といった四文字になっても何だかグッとこない。

 「習字は墨をするところから始まる」なんて昭和の時代は教えられたもので硯の中、なかなか黒くならない墨にイライラしたもんだ。

 中学に入ると墨汁が許可され即、半紙に筆を下ろすことが出来るようになったけど、相変わらず学校側から指定された習字の課題文字にはグッとこなかった。

 それは“ハネ”とか“トメ”など、あくまで習字における勉強であり、何も好きな文字をただ書けばいいというものではなかったからだ。『青春時代』なんて、それは振り返って思うもんじゃないの? リアルタイムな学生にピンとくるわけない。ある時は『納税』なんて文字、疑問なまま書かされて習字がとうとう嫌いになった。

 高校に入って筆を持つことは無くなったのだけれど、街のエロ映画館前に貼ってあるポスターを見て衝撃を受けた。

 当然、それはいやらしい表情と体をしたポルノ女優の写真に対してだったけど、その映画タイトルが妙に達筆な字で書かれていることも習字嫌いになった僕には大きかった。『(丸秘)色情めす市場』、これが活字であればさほど気にならなかっただろうに。特に『色情』の筆文字の“ハネ”や“トメ”が素晴らしい。『黒薔薇昇天』に至っては、あんなにグッときたバラ文字を未だ見たことがない。『恋人たちは濡れた』なんてどうだ? まるでロマンチックなフランス映画じゃないか!

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