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地上波放送は眼中にない血わき肉躍る快感 映画「孤狼の血」 (1/2ページ)

 公開日(12日)が近づくにつれ、駅張りのポスターに写った役所広司(62)や江口洋介(50)のいかつい顔が通行人に圧をかける。

 登場人物が欲望をさらけ出し弾けさせる映画「孤狼の血」。故深作欣二監督の大ヒット映画シリーズ「仁義なき戦い」に射抜かれた世代の映画記者は「いいねぇ。仕事とはいえ、漫画かなんかのぬるい原作の映画ばかり見てるから、たまにこういうのにぶち当たると血流が激しくなっていいやね」と試写で頬を紅潮させた。

 原作は柚月裕子氏の同名小説。1968年生まれの同氏の執筆動機も映画「仁義なき戦い」の衝撃だ。そんな絶好の原作を数々のアウトロー映画を世に送り出してきた東映が見逃すはずはない。

 配役も重量感といい、熱量といい、ビンビンに効きまくる。人間の業と性が入り乱れた人物を演じられる俳優陣が、今の日本にこんなにいたことに驚かされる。

 敵対するやくざ組織のバランスを自分なりに取りながら危機管理するダーティーな刑事を役所、県警本部から赴任したエリート刑事を松坂桃李(29)、年下のやくざと懇ろの人気クラブのママを真木よう子(35)、やくざ組織の幹部を竹野内豊(47)、石橋蓮司(76)、江口らがなりきっている。

 時は暴対法成立前の88(昭和63)年、舞台は広島・呉原という架空の地。金融業者の経理担当者の失踪で事態が動く。その業者がフロント企業だったため、役所演じる刑事は単なる失踪ではないと筋読みし、手段を選ばないやり口で関係者を追い詰めようとする。

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