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【ぴいぷる】山下洋輔、根底にあった恩師・相倉久人さんの言葉「やりたいことを思い切りやればいいんだよ」 (2/3ページ)

 ■筒井康隆と結成“冷し中華愛好会”

 一連の輪の中には筒井康隆(作家)もいた。

 「相倉さんがピットインの原稿を筒井さんにお願いしていた縁で、僕を紹介してくれた。僕が復帰したら筒井さんが観に来てくださり、フリー化を喜んでもらえて。毎週ライブが終われば飲み歩いて。ずっと筒井さんのファンだったからうれしくて。“全日本冷し中華愛好会”なんてのもやった。騒ぐ僕らを相倉さんは遠くから見ていてくれた」

 その恩師に捧げるライブ。演じるメンバーは3年前と同じだ。

 「ドラムの堀越(彰)君は実に素直で、ここで入ってきてほしいというところで、決まって入ってきてくれる。わざとずらしてくる人もいるんだけど、彼にはない。真っ向勝負してくれます」

 サックスは菊地成孔。

 「中学生のときに“山下洋輔ごっこ”をやっていたという変わり者。出会った時からフリー・ジャズのガボガボ・ゲボゲボができた。何事も詳しく調べるのが大好きで、僕が知らないジャンルの音楽もやっていて、若い人にも影響力があるね」

 トークには菊地と、建築家、建築史家の藤森照信氏(江戸東京博物館館長)も出演する。自身のルーツを語るうえで、かけがえのない恩人だ。

 「五大監獄を設計した山下啓次郎の子孫は誰かと藤森先生が調べていらっしゃって、それがジャズの山下だという話になった。祖父の啓次郎が東京駅を建てた辰野金吾の弟子とか様々なことを教えていただいた。山下家のルーツをたどった拙著『ドバラダ門』が生まれ出たのも先生のおかげ。一方で赤瀬川原平さんや南伸坊さんと“路上観察学会”を作っていた、面白人間なところもすごい」

 近年、祖父が設計した奈良少年刑務所の保存が決まったときにも、その存在は大きかった。

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