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カタルーニャの歌姫、シルビア・ペレス・クルス初来日公演 2枚組ベストアルバム「ジョイア」リリース

 近年、独立問題で揺れたスペインのカタルーニャ地方。バルセロナを州都とし、独自の言葉や文化を持つこの地が生んだ魅惑の女性シンガー・ソングライター、シルビア・ペレス・クルス(35)が11、12日に東京・南青山のブルーノート東京で初来日公演を行う。これにあわせて、彼女の秀作を集めた2枚組ベストアルバム「ジョイア」(ユニバーサル)もリリースされた。

 長い黒髪に大きな瞳、すーっと通った鼻筋に印象的な唇。そこから発せられる声は、情熱的なフラメンコの歌を想起させる。

 一方、時に自ら奏でるギターやピアノとともに聴かせる歌は、詩的で繊細だ。ジャズをベースにしながら、哀愁を帯びたエキゾチシズムを漂わせるだけでなく、ブラジル音楽、シャンソン、クラシックの薫りものぞかせる。まさにコスモポリタン的なエンターテイナーだ。

 1983年にカタルーニャ州で音楽家の両親のもとに生まれた彼女は、ジャズボーカルを学び、2012年にソロデビューすると内外にその名が知られ、女優としても活躍している。

 アルバムには、素朴でフォーキーな歌もあれば、ジャズらしいトリオを交えての粋なサウンドや弦楽五重奏団とのクラシカルな作品も。

 オリジナル曲がおよそ半分を占めるが、その中の「教会」という曲では、途中スタンダードの「ムーンリバー」が登場するのも面白い。このほか、ジェフ・バックリィもカバーしたレナード・コーエンの「ハレルヤ」というポップスも収めている。

 日本人にはなじみは薄いが、カタルーニャの歌も聴かせる。かつて、フランコ独裁政権時にはカタルーニャ語も禁止されていたが、「74年4月」「亡命の踊り」などの詞は、抵抗と戦いの歴史が伝わってくるようだ。

 日本とスペインの外交関係樹立150周年記念となる今回の公演。問い合わせ、予約はブルーノート東京((電)03・5485・0088)まで。(森村潘)

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