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【高嶋ひでたけのラジオ“秘”交友録】有名人のサインにもランクあり? 詰将棋書く藤井聡太、長嶋茂雄さんの添え書き

 将棋の藤井聡太六段(15)の偽物サインがネットで売り出され、「旬の人なので売れると思った」という女が逮捕された。

 藤井六段のサインは色紙に自作の詰将棋を書き、「藤井聡太」と名前を控え目に添えるというものだが、犯人の女は将棋は苦手と見えて、詰将棋自体に間違いがあったというお粗末ぶりだった。何にでも値がつくネット時代ならではの犯罪だ。

 でも、詰将棋とサインという藤井六段の手間のかかった色紙はひょっとすると、大変な貴重品になると思う。理屈は簡単。有名になればなるほど、彼のサインを欲しがる人が増える。どこへ行っても色紙を出されて「サインを」と求められるようになる。

 そうなると1枚1枚に詰将棋を書いている時間はない。数をこなすために、サインは名前だけ「藤井聡太」となり、次第に崩し字で藤井聡太とは読めないような有名人サインにならざるを得なくなる。

 かつて巨人V9の全盛期、王貞治さん(77)、長嶋茂雄さん(82)は毎日数百に及ぶ色紙とサインボールにフェルトペンを走らせていた。

 長嶋さんが冗談めかして「そろそろ全国にいきわたったんじゃないかな」という言葉が耳に残るほど、ONのサインする姿は日常の光景だった。

 その長嶋さんも日頃の「巨人軍 長嶋茂雄」という数秒で書けるサインとは別に、ここ一番のサインをするときは威儀を正して「野球というスポーツは人生そのものだ」という添え書きを書いていた。サインにもランクがあるということか。

 藤井六段も数々のタイトルをとり、ますます人気が沸騰すれば、詰将棋入りサインは特別で、めったに手に入らないものになると思う。

 ■高嶋ひでたけ(たかしま・ひでたけ) フリーアナウンサー。1942年生まれ、神奈川県横須賀市生まれ。明治大学卒業後、65年にニッポン放送に入社。『オールナイトニッポン』などに出演。深夜ラジオでは“ヒゲ武”の愛称で親しまれた。80年代からは『お早よう!中年探偵団』『あさラジ!』などで“朝の顔”として活躍してきた。1990年からフリー。

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