記事詳細

【中本裕己 エンタなう】テロから列車を救った若者を“本人”が演じる! 巨匠イーストウッド監督作「15時17分、パリ行き」

 いまアメリカの正義を撮らせたらクリント・イーストウッド監督の右に出る者はいないのではないか。「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」に続く、映画「15時17分、パリ行き」(公開中)は、2015年にヨーロッパの列車内で起きた無差別テロの銃乱射事件に遭遇した若者3人が主人公。枯れない87歳の巨匠は、94分間の小気味よい青春感動ドラマに仕上げた。

 8月のバカンス時期、乗客554人を乗せたアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリス車内で、イスラム過激派の男がトイレに籠もって自動小銃を充てんする。異変に気づき、出てきたところを取り押さえようとした乗客が、男の発砲で重傷を負う。

 たまたま列車に乗り合わせた米空軍兵のスペンサー・ストーンとオレゴン州兵のアレク・スカラトス、それに軍人ではないアンソニー・サドラーという幼なじみの米国人青年3人が、命がけで大規模テロを未然に防ぐ。

 この映画がスゴイのは、ヒーロー役3人が実物ということ。つまり芝居の素人たちが自身の武勇伝を演じているのである。監督にとっては禁じ手とも言えるが、その分リアリティーにあふれている。心配された演技のぎこちなさがないのは奇跡的だ。

 問題児扱いされ、サバイバルゲームに明け暮れた少年時代も描かれる。愛国心というより、「いつかは、人助けをしたい」という自然な感情が行動に結びつくまでの半生に心を揺さぶられた。 (中本裕己)

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース