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【フリーアナウンサー近藤淳子のまもなく本番です】とある映画のワンシーン出演をきっかけに… 経験こそ財産 (1/2ページ)

 とある映画のワンシーンで、私はホテルの会場で授賞式パーティーの司会役を務めました。それまで経験したドラマやCM撮影では、アナウンサーのスキルを求められることが多く、演技をする必要はありませんでした。ただ、その映画で、初めて監督に演出をしていただくという体験をしたのです。

 かなり不器用な私は、頭の中で監督の演出を考えると、どう動いて良いのか分からず、言葉の発し方だけではなく、目線の送り方も手の動かし方さえもぎこちなく、台詞は棒読みのようになったことを今でも思い出します。

 その後も、演技は苦手なのにアナウンサー役での出演が続いた時期がありました。きっとマネージャーさんも見るに見かねたのでしょうか。所属事務所ホリプロで、俳優を目指している新人タレントさんたちにまじって、演技レッスンを半年間ほど受けました。次々と本番はやってくるので、藁にもすがるような気持ちでレッスンに必死で通いました。

 レッスンでは、いろいろなシーンで台詞があったとしても、その台詞を表現する方法は個人の中に無限にあるということ。台詞は暗記するだけではなく、自分の役割は何なのかを突き詰めていくということ。生きたシーンになるには、一人だけでは成立せず、相手役との呼吸があってこそスタートに立てるということ。目に見えるシーンであっても、目に見えない背景までも想像しておくということなど、アナウンサー経験だけでは知りえない多くを学びました。そして、これらのレッスンがアナウンサーの本番と繋がっているとも感じました。

 基本的に、アナウンサーは一人でニュースを読んだり、レポートをしたりしますが、本番には大勢のスタッフたちが関わります。そして、それぞれのワンシーンで、各々の役割を全うします。つまり、それぞれの役割をプロフェッショナルに演じているのではないかと感じました。私は演じるという未知を難しく考えすぎていたのかもしれません。

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