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【高須基仁 人たらしの極意】モデルボクサーを倒した吉田実代の底力 リングで娘抱き上げ「最高の景色見せてあげたい」

 格闘技の聖地、後楽園ホールに6日、新たな歴史が刻まれた。ボクシングの日本女子バンタム級王座決定戦6回戦。日本女子タイトル戦は、これが初開催だ。

 同級1位の高野人母美(ともみ、30)=協栄=に挑んだ同級2位の吉田実代(みよ、29)=EBISU K’S BOX=は、3-0の判定勝ちで見事、初代王座に輝いた。

 赤コーナーの高野は東京出身で、モデルとしても活躍する177センチの長身。一方、身長が16センチも低い青コーナーの吉田は、鹿児島出身のシングルマザーだが負けん気は高野を大きく上回っていた。リングサイドで見る“大和なでしこ”同士の殴り合いはすさまじく、胸が高鳴った。

 とりわけリーチの差を物ともせず、右フックを繰り出す吉田の“どんくさい”戦いぶりに魅了された。私はシュートボクシング当時から吉田の戦いを17戦見続けてきた。20歳で米に単身で格闘技留学。出産もして2歳の長女がいる。

 「ボクシングは希望です。生きがいです。私らしくいられる時です」

 そう話し、産後ダイエットのつもりでボクシングを再開したというが、魂は常にリングにあった。2カ月に1回の驚異的なペースで試合を重ね、9戦目で初タイトルを得たのだ。「最高の景色を見せてあげたい」と娘をリングで抱き上げた姿に“薩摩おごじょ”の底力を見た。

 日本ボクシングコミッションは今後、アトム、ミニフライ、フライ、バンタム、フェザーの5階級でも女子タイトルを実施するという。高野の捲土重来にも大いに期待する。リングの女は美しい! (出版プロデューサー)

 ■高須基仁の“百花繚乱”独り言HP=「高須基仁」で検索

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