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【BOOK】鴻上尚史さん、9回出撃し9回生還した佐々木さんが教えくれた いじめと特攻隊「生きる」戦い (1/3ページ)

★鴻上尚史さん『青空に飛ぶ』講談社1550円+税

 陰湿ないじめにあって人生に絶望し、死を望んだ少年と、太平洋戦争末期に特攻隊員として9回出撃し、9回とも生きて帰ってきた男との出会いを通じて、人間の強さとは何かを模索した雑誌連載小説が単行本になった。人と人との相互理解の重要性が叫ばれるこの時代に、本書が果たす役割は何かを聞いた。(文・たからしげる 写真・宮川浩和)

 --本書のそもそもの始まりは

 「2009年に、佐々木友次(ともじ)という人の存在を知りました。太平洋戦争で9回出撃し、9回帰ってきたという特攻隊員が実在したのだという衝撃は大きかったです。その後、テレビの終戦特集といった企画に毎年、佐々木さんの名前を出してきました。2015年になって初めて動いてくれたプロデューサーが、佐々木さんはまだ生きていて、札幌の病院に入院していますよって教えてくれたんです。折を見て会いにいきました。5回くらいインタビューしました」

 --物語の構想ができたのは

 「当時21歳だった若者が、上官から死んでこいといわれながら9回も生きて帰ってきたことのすごさですね。この人の存在をとにかく広く知らせたいと思い、特攻のあり方と、クラスが一致団結してひとりを無視するという日本特有のいじめの風景がよく似ていると感じたんです。そこで、いじめと特攻の話を結びつけることにしました」

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