記事詳細

【老後資金のウソとホント】政府が掲げる「自助」と「低福祉・低負担」社会の悲哀 65歳過ぎてからの自活が重要 (1/2ページ)

 菅義偉内閣が掲げるキーワードの一つが「自助」だ。確かに経済的に自立する意思のない人に対する救済は、優先度が落ちるという考え方もあるのだろう。しかし、自立しない、できないのは100%本人のせいといえるだろうか。

 コロナ禍で学業を中断する大学生や高校生を「やる気がない」と責め立てるのは正当なことではないだろう。欧州では大学生は尊重されており、社会が守り育てるという意思が顕著だ。奨学金も豊富で、日本や米国のような「貸与型」は極めて少ない。お金をあげるから、バイトなどせずにしっかり勉強しろとばかりに「給付型」が中心だ。

 高校の授業料を無償化するなら、生活に苦しんでいる大学生や大学院生にも広く給付すべきではないか。それが国力の重要部分である国民の知力を伸ばす。これをしないで「自助」というなら、誰のための公教育制度だろうか。

 これは若者だけの問題ではない。弱き者に目配りしない、できない政府は国民から支持されない。長年続いてきた「低負担・低福祉」の日本型社会保障のあり方から、ここらで欧州並みに「高負担・高福祉」にかじを切る時期がきているのかもしれない。

 端的な施策として考えられるのが、本来払うべき税金を払っていない高額所得者と、金をため込んでいる大企業への課税強化だ。それが嫌だというなら「中負担・中福祉」を重視した予算の組み替えが必要となるだろう。

関連ニュース