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【榊淳司 マンション業界の秘密】新築へのこだわりが失敗要因となる理由 プロモーションに目がくらみ、選択肢が異様に狭まる (1/2ページ)

 私は一般の消費者からマンション購入に関する相談を受けることも業務の1つとしている。多くの方が新築マンションの購入に悩んでいるようだ。いくつかの物件資料を持参されて「どれを買えばいいですか」とよく聞かれる。

 はっきり言って、複数の物件に資産価値評価の順位をつけることは簡単である。仲介業者の視点で、10年後にはどの物件が一番売りやすそうかを考えればいい。

 私は仲介業に勤しんだことはないが、多くのケースを見てきているので、並みの業者程度の判断はできる。また、どこの誰よりも多くの新築マンションの資産価値を評価してきたので、主だったデベロッパーの物件づくりのクセには通暁しているつもりだ。

 だから示された選択肢に順位をつけるのはわけないが、困るのは一番にした物件が必ずしも「買っていい」とはかぎらないことだ。ダメダメ物件をいくつか持ってこられて「どれを買うべきでしょう?」と相談されたときには、大いに困る。

 やんわりと「どれもそんなによくないですよ」とお伝えするのだが、相談者は落胆の気色になってしまうのを見るにつけ、心が痛む。

 そういう時に必ずたずねることがある。

 「新築にこだわっていますか。中古も探されましたか」

 大抵の方から「新築にこだわっているわけではありません。中古も探しましたが、いい物件が見つかりません」といった返事になる。不思議と、みな同じように答えるのだ。

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