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【定年後の居場所】大企業も制度導入、副業で“物語”の主人公に 本業をこなせば問題ない (1/2ページ)

 政府が主導する働き方改革の影響もあって、副業禁止を緩和する会社も増えている。私は50歳から定年退職までの10年間、会社員と著述業を並行して取り組んできたので、時々取材を受けたり、会合に呼ばれたりすることもある。

 コロナ禍の前に、人事担当者が副業を検討する打ち合わせに呼ばれたことがある。就業規則をどのように変更するか、法的な問題は何かを弁護士を交えて議論していた。最も気になったのは、社員がイキイキ働けるためには何をすればよいのかという観点がほとんど語られなかったことだ。目的と手段が逆になっていないかという疑問が会議中に頭に浮かんだ。

 また先日、副業や転職をテーマにした会合に出た時に、40代の2人のサラリーマンが、勤めている会社の副業に対するスタンスや、周囲の社員がそれに対してどのように反応しているかばかりを熱意をもって語っていた。

 「それであなたたちは何がやりたいのですか?」と私が聞くと、「起業に関心がある」「社会人大学院に通うことも考えている」などの抽象的で漠然とした答えしか返ってこなかった。彼らは副業のことを評論家のように語っているだけで、その言動に「寄らば大樹の陰」というか、会社にぶら下がっている姿勢を感じた。

 経験者としてあえて言わせてもらえば、まずは個々の社員が「うまくやること」が何より重要なのだ。具体的に言えば、「会社の仕事をないがしろにしない(ように見せる)」「直接の上司や同僚と良い関係を築くこと」である。この2つを押さえておけば、それほど副業の問題はややこしくならない。

 つまり会社の仕事をまずはきちんとこなすことが第一の要件である。会社側は仕事がおろそかになることを恐れているからだ。そして副業が順調に育ってくれば、会社での仕事も良くなるケースが少なくない。

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