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【田村秀男 お金は知っている】コロナ対策で赤字必須のはずが…財政破綻論者はなぜ黙るのか (1/2ページ)

 「コロナ対策の諮問委員に任命した小林慶一郎氏は財政再建至上主義者との評価がありますが、任命に際し本人と何度も話しました。最近の氏の論文では、今は財政再建にこだわらず国債発行してでも厳しい状況にある人の支援を行うべきと、財政支出の重要性を主張しています。経産省の後輩でもあります」(西村康稔経済再生担当相の13日付ツイッターから)。

 丁寧さが売り物の西村さんが擁護しているのは、新型コロナウイルス感染症の専門家で構成する政府の「基本的対処方針等諮問委員会」のメンバーに指名された、慶大客員教授で東京財団政策研究所研究主幹の小林慶一郎氏である。小林氏は過去の著作や評論からみて、財政均衡重視派以外何ものでもないのにね。

 ほかに3人の経済学者が参加することになるが、このうち小林氏と大阪大大学院教授の大竹文雄氏は2011年5月、東日本大震災復興財源のために増税が必要だとする伊藤隆敏、伊藤元重両東大教授(当時)の呼びかけに賛同した。安倍晋三政権がそんな経歴の人物を登用する。コロナ復興増税をもくろむつもりなのか、との反発がSNSで広がるのも無理はない。

 西村氏は、後輩の小林氏から「財政再建にこだわらない」という言質を得たと弁明しているのだが、今はコロナ恐慌による国民経済の打撃を軽くするために、財政再建どころではないのは小学生だってわかる。「財政破綻」を警告して、緊縮財政と消費税増税を主張してきた財務官僚も、与党主流派、財界や学界の主流派も、全国紙論説委員も、この際、財政支出拡大への異論を控えている。

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