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【大前研一 大前研一のニュース時評】「ヤフー」と「LINE」の一体化は至難の業…違う魂を持つ人たちが、経営統合してうまくいくのか? (1/2ページ)

 ネット検索などのポータルサイト「ヤフー」などを展開するZホールディングス(HD)とメッセージアプリのLINEの経営統合は、来月に最終契約を締結し、来年10月までに完了させる。それぞれの親会社であるソフトバンクと韓国・ネイバーが50%ずつ出資して新会社を設立し、その傘下にZHDを置いてヤフーやLINEを子会社化する。

 利用者はLINEが約8000万人、ZHDのサービスは約5000万人。これにより、通販や金融、SNSを一手に担うトップのIT企業が誕生し、米国の「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)や、中国の「BAT」(バイドゥ、アリババ、テンセント)と呼ばれる巨大IT企業に対抗するというのが狙いだ。

 LINEの出沢剛社長は「ネット業界は優秀な人材やデータなどすべてが強いところに集約する構造。2社が一緒になっても米国の大手企業とはケタ違いの差がある」と危機感を述べ、ZHDの川辺健太郎社長は「最強のワンチームを目指していきたい」と抱負を述べた。ただ、2つの違う魂を持つ人たちが、対等の形で折半出費して、うまくいくのだろうか。

 ZHDには、eコマース(電子商取引)サービスやポータルサイト運営の「ヤフー」のほか、電子決済サービスの「PayPay」、無料動画配信サイト「GYAO」、電子書籍の販売サイト「イーブックイニシアティブ」、事務用品の通信販売をする「アスクル」、高級ホテルや旅館専門の予約サイト「一休」、そして「ジャパンネット銀行」などがある。

 ZHDにカネがあったので、どんどん広げてしまっているのだが、これで一体経営をするのは非常に難しいと思う。すでにアスクルの創業社長を電撃解任するなど、人間性、ソフトスキルには疑問符がついている。下手をすると、急速なM&A(企業の合併・買収)で子会社を抱えすぎて、収拾がつかなくなったRIZAPグループのようになるかもれない。

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