記事詳細

【銀行から「金行」へ】地銀は「儲けるネタ」真剣に考えているのか 「地域商社」は当局へのアピール、ガバナンスという弱点も (1/2ページ)

★(3)

 過去の連載で、地方銀行や信用金庫、信用組合の新たなビジネスについて「商売人(地域商社)」や「寺子屋の先生」の可能性を指摘した。ほかにも儲けるネタはあるのだが、真剣に考えているだろうか。

 多くの地銀が中期計画にうたい始めたのが運用相談の強化だが、自前でふさわしい人材をそろえているのかは疑問だ。

 利用者にも考えてほしい。銀行の店頭で、ブラジル通貨建ての債券を「お得ですよ」と勧められても、地銀、信金窓口の職員が一度もブラジルはおろか、開発途上国や中進国を訪れたこともなく、為替変動の理由さえ説明できないとすれば、何を根拠に買うことができるだろうか。

 「地域商社」の利点については彼らもようやく気づいたようで、100%出資のものはまだないが、共同で立ち上げているところが出てきた。しかし、地域住民や企業に喜ばれているかどうかはまだよく分からず、とりあえず何かやってますよ、という当局へのアピールといった印象がぬぐえない。

 「寺子屋」に関しては私の知る限りゼロだ。金融リテラシー講座と称して子供に投機のスリルを教え、将来の株取引などの顧客にしようとしているようでは害しかない。真っ当な理数教育や社会人への経営講座などを行うほうがよほどましだ。

 地域や都市でニューバンクが必要とされるには、顧客重視でなければならない。経営の透明性も重要で、頭取・会長や理事長が長年その任にあり、だれも意見できないというのは明らかにおかしい。上場の有無に関わらず、地銀と信金、信組の多くにはガバナンス(企業統治)という大きな弱点がある。

関連ニュース