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【経済快説】「老後資金2000万円炎上商法」に引っ掛かるな! 金融ビジネスには大きな需要も「他人を頼ると高く付く」意識を (1/2ページ)

 世間を騒がす話題となり、国会でも論戦になった「老後資金2000万円報告書」の問題について、金融マンの多くは「ばかばかしい問題だ」と思ったのではないか。

 老後に必要な金額の「2000万円」が一例に過ぎず、人によって異なることはもともと当たり前であり、報告書もそう読める。高所得でも低所得でも「自助努力」が必要なのは当たり前だ。この話はもういい加減にしてほしい、と苦々しい思いの方も少なくなかっただろう。

 ところが、意外な効果が表れた。連日、老後のお金の問題が報道されたことで、世間の資産形成に対する関心が高まったのだ。騒動が発生してから、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」など、なかなか普及が進まなかった資産形成支援制度の新規口座申し込みが急増している。金融機関によっては、これまでの倍増に近いペースになっている。

 麻生太郎大臣にその意図があったかどうかは不明だが、2000万円問題は、結果的に「炎上商法」として、金融ビジネスに大きな需要をもたらしたのだ。大きな声になってはいないが、金融業界には2000万円騒動がもっと続いてほしいと思っている人が増えているはずだ。

 もともと、金融業界にとって「老後不安」は「インフレ・リスク」と並んで運用商品を売るための2大商材と言っていい有力なテーマだ。インフレは、なかなかやってこないので、近年は「人生100年時代」というキャッチフレーズを使って顧客の老後不安に訴えてきた。

 老後のお金について考え、行動するのは大変いいことなのだが、読者にあっては、くれぐれも焦って悪い商品やビジネスに引っ掛からないように注意してほしい。

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