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【オトナの社会科見学】「百の顔を持つ男、波多野栄一」展 「演芸資料展示室」で開催中

 東京・国立演芸場の「演芸資料展示室」では、紙や布製の小道具を使い「百面相」を演じる究極のアナログ芸で知られた波多野栄一さんの没後25年を期し、「百の顔を持つ男、波多野栄一」展を開催している。3月24日まで。

 室内には手製の道具や演技写真などを展示。90歳に近い波多野さんが七分袖シャツの上を次から次と着替えて国定忠治や旧1万円札の聖徳太子になり切る映像も流れる。

 思わず吹き出すのが、紙製のハットを被り、紙の馬の首を持ち馬上に乗る「カウボーイ」。銃撃された振りで悲鳴を上げ、帽子の下から血糊に模して赤い絹を垂らす。

 十八番だった「金色夜叉」の貫一、お宮の早変わり芸の扮装(ふんそう)道具も。学生帽と日本髪のカツラを前後入れ替えで作り、衣装はマントと着物が半身ずつでできている。幕の後ろに隠れるたび、衣装とカツラを前後ろ変えて半分だけ出し、2人を演じ分ける。

 筆者は1990年代初頭に波多野さんを客の少ない新宿末廣亭昼席で見た覚えがあるが、近年のお笑いでよく見るフリップ芸(そんな言葉、当時はまだなじみがなかったが)も演じていたのは今回初めて知った。「路鳥洋服」と書く札を示し「ロバート・テイラー」、ひらがなの「め」の字の先がぐるりと回り「目がまわる」と読む。お後がよろしいようで…。(矢吹博志)

 ■「演芸資料展示室」(東京都千代田区隼町4の1国立演芸場1階、03・3265・7061)10~17時。入場無料。2月22、25、26、28日、3月21、22日は休室

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