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【榊淳司 マンション業界の秘密】高齢者増で深刻な相続問題、区分所有権の分離放棄を認めては? (1/2ページ)

 日本社会の高齢化は目に見えて進んでいる。遠隔郊外や地方都市を車で走っていると、子供どころか若者さえ見かけないことが多い。統計数字で言えば、単身高齢世帯が増え続けている。独居老人が多くなっているのだ。

 高齢者のマンションにおける孤独死も増えている。これは深刻な問題。まず、その住戸は事故物件扱いになる。次に貸したり売ったりするときに困難が伴う。

 また、相続問題も発生する。孤独死でなくても、分譲マンションに一人で住んでいた高齢者が亡くなると、やはり相続が発生する。そのマンションが都心や人気の街にあって、売るのも貸すのも容易な物件なら何の問題もない。相続した人が喜んで名義を自分に移して、住むなり売るなりする。賃貸に出すこともあるだろう。

 しかし、地方や遠隔郊外にあって資産価値がほとんどないマンションの場合は苦しい。この場合、相続してその所有権を得た人が自分の名義にして管理費や固定資産税をきちんと払ってくれれば問題はない。

 しかし、名義も動かさず、管理費や固定資産税を滞納した場合はどうなるのか。それで一番困るのは、そのマンションの管理組合だ。滞納分を誰に督促してよいのかも分からない状態となる。弁護士などを使って相続者が分かっても、督促に応じてくれるとはかぎらない。

 強制的に徴収しようとそのマンションの住戸を競売にかけようにも、資産価値が低すぎる場合は滞納分の管理費さえ回収できるかどうか分からない。管理組合側にとっては八方ふさがりだ。

 こういう事態が今、あちらこちらで発生している。特に、郊外の老朽マンションで新築時から住み続けている人は高齢者となって、経済的に困窮している場合も多い。そんな事情で相続後に管理費が滞納となるケースは増え続けるとみられる。

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