記事詳細

【新・兜町INSIDE】ゴーン氏逮捕で役員報酬開示が前進へ 社長「一任」に総会承認求める

 カルロス・ゴーン日産自動車前会長の逮捕で、上場企業の役員報酬に関心が集まっている。報酬を決定するプロセスの透明化に向けて政府が会社法改正の準備作業を進めている最中だけに、日産の不祥事は透明化を後押しする方向で作用しそうだ。

 現在、取締役の報酬は年1億円以上でない限り、個人ごとの開示義務はない。多くの企業では、報酬総額の最高限度額だけを株主総会で決定し、個々の役員の取り分は取締役会に一任する企業が多い。株主総会後に開く取締役会では、具体的な配分額の決定を社長に一任するケースも多い。2度の「一任」を経ることによって、結局は株主による経営監視の目が届かないところで報酬が決まっているのが現状だ。

 現時点では、取締役会が社長に個々の役員の報酬額決定を一任する場合に株主総会の承認を求める方向で議論が進んでいる。財界の反対論は根強いが、ゴーン前会長の逮捕はこうした財界の抵抗を押さえる力を発揮しそうだ。政府の掲げるコーポレート・ガバナンス(企業統治)の真価が問われる。

 【2018年12月3日発行紙面から】

関連ニュース