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【オトナの社会科見学】増上寺と家康の深い関係示す文化財 「東京都港区立郷土歴史館」

 東京都港区立郷土歴史館は、昭和13(1938)年に竣工(しゅんこう)した旧公衆衛生院のゴシック調の姿を保存しつつ再整備、1日にオープンした。来年1月27日まで特別展「港区指定文化財展-悠久の旅人」を開催中だ。

 見ものは増上寺の中興の祖だった観智国師(かんちこくし)と当時の権力者、徳川家康との関係の深さが如実に分かる資料の数々。どうやって観智国師が自らと寺の地位を確保し、家康の葬儀では導師を務めるまでになったかが分かる。

 例えば、慶長2(1597)年頃の文書では浄土宗内の対抗勢力を家康の支持を集めて追放するという旨が記されている。また同15(1610)年の物には、やはり家康の後押しで国師を後陽成天皇から高僧と認めてもらうという記述も。

 時代が下がると昭和11(36)年、芝浦に建ち、現存する都内唯一の2階建ての見番「旧協働会館」の写真や見取り図も興味深い。太平洋戦争中に花柳界は疎開し、戦後は港湾労働者の宿泊所として使用された建物。その玄関部タイルも展示されている。

 旧協働会館は現在改修中で、再来年には一般公開されるという。(矢吹博志)

 ■「港区立郷土歴史館」(東京都港区白金台4の6の2ゆかしの杜内、03・6450・2107)開館は9~17時、土曜日のみ9~20時。常設展特別展セット観覧料は大人600円、小・中・高校生200円。休館日は毎月第3木曜日(祝日などの場合は開館、前日の水曜休館)、年末年始、特別整理期間。

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