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【経済快説】なぜプロでも詐欺に引っ掛かるのか…積水ハウス55億円被害 (1/2ページ)

 「地面師」(じめんし)とは、久しぶりに目にする単語だ。産経新聞(10月17日)では「所有者や相続人になりすまして無断で土地を売買し、代金をだまし取る人物や集団」と説明されている。いまどきの新聞の1面の見出しでこの単語を見るとは少々驚いた。

 そして、もっと驚いたのは、だまされたのが大手ハウスメーカーの積水ハウスだったことだ。土地取引に関してはプロ中のプロのはずなのに、彼らは55億円もだまし取られたという。

 筆者は本件の詳しい事情を知らないが、プロが詐欺師にだまされる事情について、いくつか想像できる理由がある。

 金融の世界でも、プロがだまされることはある。資産運用のプロであるはずの年金基金はAIJ投資顧問による年金資産運用の損失隠しを見抜けなかったし、米国でも元NASDAQ会長のバーナード・マドフ氏の詐欺的な資産運用スキームをやはり年金基金などの機関投資家が見抜けなかったような例がある。「プロでもだまされることがある」点については洋の東西を問わない。

 金融ビジネスでいうと、だます相手は、素人よりもむしろほどほどの知識を持ったプロの方が好都合なのだ。

 例えば、詐欺的なデリバティブ(金融派生商品)を買わせるには、オプション価格の計算式として高名な「ブラック・ショールズ式」を理解しているくらいの担当者がちょうどいい。そうした「だまし頃のプロ」は、自分が専門性を持っていると思っている分野にあっては、組織の中で見栄を張らなければならない立場を持っているので、彼(彼女)の専門に近いところでだますことに成功すると、組織内で協力的に動いてくれることが多い。

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