記事詳細

【経済快説】スルガ銀行の処分に見る不動産投資変調の“サイン” (2/2ページ)

 スルガ銀行は、不動産取引にあって、他行では借り入れができない取引案件の「駆け込み寺」のような機能を果たしていた。同行がこの機能を果たさなくなるのと同時に、他行も「スルガ的案件」に対する融資姿勢を厳格化するはずであり、不動産市場への資金供給が細ることが予想される。

 収益性の乏しい不動産投資案件や、借り手の財務的基盤が脆弱(ぜいじゃく)な不動産向けローンが減ることは、長い目で見るといいことだろうが、限界的な案件にローンが付きにくくなることは、不動産市況の悪化につながり得る。

 個人の貸家業向けの新規融資は、今年の4~6月で約5600億円と、ピークだった2016年7~9月期の約1兆900億円から見て半減に近い減少を見せている。

 個人的な意見だが、マンション投資なども含めて、不動産への新規投資は当面控える方がいいだろうし、複数の投資用不動産を所有している方は、リスクの軽減措置を考えておきたい。

 また、自宅として住む不動産の購入についても、価格が高過ぎないか、ローンを無理なく返済できるかを厳しく見積もるべきだ。自宅の購入は「自分が店子(たなこ)である不動産投資」に他ならない。不動産のセールスマンには申し訳ないが、今は不動産投資のリスクに気を付けるべきタイミングだ。(経済評論家・山崎元)

関連ニュース