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シニアが変えた「奇跡の町工場」 加藤製作所の働き方改革 (1/4ページ)

 日本一の高齢者雇用企業と呼ばれ、60歳以上の新規採用を推進し、メディア掲載や会社見学が絶えない会社がある。しかし、大都会に瀟洒(しょうしゃ)なオフィスをかまえる企業でも、多数の社員を擁する大企業でもない。その企業、加藤製作所は岐阜県中津川市にある。112人で製造業を営む。会社は恵那山や高峰山に囲まれた盆地に位置し、すぐ近くには川が流れる。

■売り上げ・利益向上の切り札として、高齢者雇用のアイデアがひらめく

 加藤製作所の社員数は112人であるが、実はパート・シルバー社員が52人を占める(2018年9月現在)。このように多数の割合の高齢者雇用が実現していることからも、日本一の高齢者雇用企業と呼ばれる理由が分かる。では、なぜ、加藤製作所は高齢者雇用を推進することになったのか。時は2001年までさかのぼる。

 加藤製作所は、プレス加工でもっとも難しいとされる絞り加工において、深絞りという高度な技術を有している。そのため「絞りのかとう」とも呼ばれる。航空機分野でもその技術が認められ、部品として採用されるほどだ。そんな高度な技術を有する加藤製作所だったが、不景気の2001年頃には、注文は相次ぐものの、取引先から低コスト・短納期が求められ、対応に苦労する状態だった。

 そんなある日、加藤景司社長のもとに、中京学院大学の知人から、ある意識調査が届く。その調査は、中津川市在住の高齢者に働きたいと意思がありながら、働く場所がない現状を示していた。ここで、加藤社長に画期的なアイデアがひらめいた。中津川の高齢者に、土日に働いてもらい、工場の稼働率が向上すれば、利益が確保できると考えたのだ。

 しかし、画期的すぎるアイデアに、社内の反対は多かった。高齢者が働くのは危険だし、長く続かないという理由だ。なんとか社内の反対者を説得し、アイデアの実現をめざすことになった。

■まずはやってみる、やれば、なにかが変わる

ITmedia ビジネスオンライン

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