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【オトナの社会科見学】11時58分で停止したままの時計…関東大震災の惨事を後世に 「東京都復興記念館」

 「東京都復興記念館」は、関東大震災の惨事を長く後世に伝え、焦土を復興させた大事業を記念すべく1931年に建設された。多くの犠牲者を出した本所の陸軍被服廠(しょう)跡地にある。

 震災当日、神田須田町の交差点で被災した市電の電気時計も展示される。時刻は地震の発生した「11時58分」で停止したまま。突風で飛ばされて本所区安田邸の樹木にぶら下がっていた自転車は、真っ黒に焼け焦げてタイヤのねじれ方がこの世のものとも思われない。

 写真展示も多い。地震発生直後の日本橋室町の風景では建物の倒壊もなく、通りを行く人々には緊張感も感じられない。しかしその直後辺り一帯に火災が広がったと解説がある。通りをのんびり歩む人々の姿と後の悲劇の対照が痛ましい。被災後の東京駅丸の内側の交番を写す写真では、尋ね人の張り紙がべたべたと貼られ壁面が見えぬほど。まだ新聞も復旧せず、告知の方法が他になかったのだろう

 9月9日には、記念館隣の東京都慰霊堂で元東京都副知事、青山やすし氏の「関東大震災100年目の教訓と現代的意味:後藤新平とビーアドを中心に」(無料)と題する講演もある。(矢吹博志)

 ■「東京都復興記念館」(東京都墨田区横網2の3の25都立横網町公園内、(電)03・3622・1208)。9~17時(入館は16時30分まで)。入場無料。毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始は休館。

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