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【大前研一 大前研一のニュース時評】「大塚家具」はカネのある間に店じまいを 競争激化の中で経営再建は商品コンセプト的に困難 (1/2ページ)

 低価格路線のニトリやイケアとの競争激化やブランドイメージ悪化で業績が低迷する大塚家具。店舗閉鎖や売り場の縮小を進めてきたが、ここにきて経営難に陥り、投資ファンドや金融機関を通じて複数企業と交渉、資本提携などを含む経営再建策の検討を始めている。

 支援企業の候補として取り沙汰された家電量販大手ヨドバシカメラは支援見送りを表明し、現在は昨年11月に資本業務提携した貸会議室大手ティーケーピー(TKP)とIT関連企業などを傘下に持つ台湾の企業グループ・能率集団の名が挙がっている。

 大塚家具について、私は以前からビジネス・ブレークスルーの番組などで「会社を清算するのが唯一の方策」と発言している。身売りしたところで、大塚家具のコンセプトは現在ではもう成り立たない。閉鎖しかないと思う。

 大塚家具は、創業者の大塚勝久氏が導入した会員制高級家具セット販売で急成長した。客が入店時に氏名や住所を書き、店員が一緒に店内を回ってくれるという販売方法だ。旧新宿三越新館を一棟丸ごと使用した新宿ショールームや東京ドームの2倍という日本最大級の有明本社ショールームなどに、海外製の高級ソファなどを並べていた。

 こうした勝久氏の戦略は、西欧の家具が日本人の憧れだった時代の話。目利きの社員が海外で購入した家具を売るという大塚家具のビジネスモデルは、マンション住まいの単身家庭には適応できなかった。大塚の家具はマンションには大きすぎたのだ。サイズだけでなく、値段もまったくそぐわなくなった。その一方、低価格で単品買い需要に対応したニトリやイケアが台頭してきた。

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