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【図解で分かる「決算書」の仕組み】シャープ、直近の実態は? 積極的な攻めの経営で本格復活に期待

 本日は、シャープをピックアップする。台湾の鴻海精密工業傘下で経営再建し、東証1部に復帰した同社であるが、直近の実態はどのようになっているのか。2018年3月の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合は20%程度しかない。13年3月期から一桁台が続いていたため、当時と比べると危機的な状況は脱している。しかし、一般的にはまだ安全性は低い水準にある。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。過去3年は最終赤字が続いていたが、鴻海主導のコスト削減でついに黒字回復した。また、鴻海による販路拡大も手伝って、売上高は前の期より18・4%も増加となり、営業利益率も3・7%にまで上昇した。収益力は着実に回復している。

 最後にキャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fはプラスで、キャッシュ面でも回復している。それを上回る投資C/Fのマイナスは、積極的な攻めの経営の表れととれる。

 先日、東芝のパソコン事業を40億円で買収するという報道がなされたが、1052億円のキャッシュを生み出している同社にとっては安い買い物だろう。世界初の8Kテレビも発売されたこともあり、シャープの本格復活を期待したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。