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【榊淳司 マンション業界の秘密】マンション価格「東京五輪後に大暴落」のカラクリ (1/2ページ)

 ここ2、3年、私のところにマンションの購入や売却の相談にやってくる人のほとんどが次のような質問をする。

 「東京五輪が終わったらマンションの価格は下がりますよね?」

 私の答えはいつも同じ。

 「本来、五輪はマンションの需給に関係ありません。だから五輪が直接マンション価格の上昇や下落に関係するわけではないのですが、世間の人々の気持ちを左右します。多くの人が五輪後にマンション価格が下がると思って売り出せば、下がります」

 市場のプレーヤーはさまざまに思惑を抱く人間。多くの人が「上がる」と思って買い始めれば価格は上昇。逆に「下がる」と思って売る人が多くなれば下落する。

 特にここ10年くらい、都心のマンション市場は金融化している。本来の「住む」という目的のためではなく、値上がりや賃貸運用、あるいは相続税対策という思惑でマンションを買う人が多すぎた。本来の需要以上の「買い」が生まれた結果、局地的にバブル化してしまった。新築、中古ともに今や説明できないほどの高値で売り出されているマンションがたくさんある。しかし、あまり売れていない。

 住宅の中でも戸建てには「住む」という需要による買いしか発生しない。だから、都心ではマンションよりも戸建ての方が安いという珍現象も部分的に発生している。

 あるいは賃貸市場にも、本来の「住む」「使う」ための需要しか生まれていない。だから、賃貸市場では、もう何年もじわじわとした下落傾向が続いている。

 さて、都心のバブル化したマンション市場では、いつか下落が起こる。それがいつなのかということは多くのマンション保有者の関心事。冒頭で指摘した「五輪閉幕後」というタイミングは誰もが思いつくこと。誰もが考えるのなら、誰もがその前に売ろうとする。市場とはそういうものだ。

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