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【榊淳司 マンション業界の秘密】大型商業施設の暗い未来と近隣のマンション eコマースの浸透…資産価値へ悪影響は避けられない (2/2ページ)

 しかし、このやり方は少し時代遅れになりかかっている可能性がある。というのは、誘致した大型の商業施設が、将来的に閉鎖される可能性があるからだ。

 20年前なら、そういうことはあまり考える必要はなかった。その地に住宅が増えていく限り、人口が増えて商業施設の売り上げ増につながる。しかし、今はまったく状況が変わっている。

 まず、新しい住宅開発事業は今後急速に縮小する。人口減少によって需要が減退するのだから、それは仕方がない。

 次にeコマースの普及によって物販店の売り上げはどんどん減っていくだろう。世界最大の小売業であるウォルマートでは、経営の主軸を店舗販売からデジタルに移行中と言われている。

 その流れで、約20年前に開業した大型商業施設が閉鎖されれば、その周りのマンションはどうなるのか。物件によっては、最大の魅力がなくなるということ。当然、資産価値への悪影響は避けられない。

 これからの時代、すぐ近くに大きなショッピングモールがあったとしても、何年かのちには閉鎖されることも想定しなければいけない。マンション選びの基準がまた一つ、変わろうとしている。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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