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【図解で分かる「決算書」の仕組み】人手不足追い風に業容拡大 技術者派遣のアウトソーシング 積極的な攻めの経営

 本日は、技術者派遣のアウトソーシングをピックアップする。技術職等の労働者不足が叫ばれて久しい昨今であるが、直近の同社の実態はどうなっているだろうか。2017年12月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の比率は20%程度である。安全性という点ではやや心許ない。負債を積極的に活用し、財務レバレッジをかけて事業を拡大する戦略が貸借対照表に表れている。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。メーカーなどに技術者を派遣するビジネスであるため、売上総利益率(粗利率)は約20%と、収益性はそれほど高くはない。しかし、前の期と比べると、売上高は1・7倍、営業利益は2倍以上の増加となった。子会社化した同業の会社の収益が通期で寄与したこともあるが、人手不足を追い風に業容が拡大している。また、国際会計基準に移行してのれんの償却負担がなくなったことも増益要因となった。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを表す営業C/Fが前の期と比べて大幅に増加している。そのキャッシュを使って引き続き同業他社を買収している。

 安全性にやや不安が残るものの、積極的な攻めの経営を続ける同社の動きに今後も注目したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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