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【図解で分かる「決算書」の仕組み】SGホールディングス、採算性高いBtoB事業にシフトへ

 本日は、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスをピックアップする。ヤマトホールディングスに次いで業界2位の同社であるが、昨年12月に東証1部に上場した。そんな同社の実態を2017年9月中間期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合が50%近くあり、安全性は全く問題ない。過去の利益の蓄積である利益剰余金が多額に積み上がっているため、財務基盤は盤石だ。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。粗利率が10%程度しかなく、収益性は非常に低い。ドライバーの人件費などの割合が高く、労働集約型のビジネスといえる。それでもかつての粗利率が7%台だったときと比べると、収益性はかなり改善された。取扱数量を制限し、大口顧客向けの宅配単価を引き上げたことが奏功している。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業で稼いだキャッシュである営業C/Fの増加を投資や財務に振り当てており、キャッシュの回し方としても順調である。

 アマゾンジャパンとの取引の打ち切りや、日立物流との資本・業務提携など、採算性が高いBtoB事業にシフトしつつある。人手不足や労務問題など、いばらの道の宅配業界をどう切り開いていくのか。今後も注目したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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