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【オトナの社会科見学】変わらぬ宅配便と通販業者間の値引き交渉 モノ運ぶ営みの今と昔が知れる「物流博物館」

 JR品川駅高輪口からグランドプリンスホテル新高輪横の坂を上り8分ほどで着くのが「物流博物館」。「飛脚問屋 嶋屋佐右衛門日記の世界」展を開催中だ(12月10日まで)。

 江戸時代日本橋にあった飛脚問屋の業務日誌の展示。「三割引き下ゲ候儀」の記述は、客からの3割の値下げ要請に対し、若干の値引きで対応しようとするもの。道中経費がかさむので値下げを思いとどまってほしいと再三荷主に要請する表記もある。今、宅配便と通販業者間で料金のせめぎあいが厳しいが、昔も事情は変わらぬと知れる。

 雨で川を渡れず荷が遅れる際、いち早くその旨を顧客に伝え喜ばれたとの記述も。時の流れに関わらず通じるビジネスの要諦ぶり。また荷主の問屋などに貢いだ贈り物一覧表も見ものだ。

 場内に日誌の翻刻を行ったメンバーたちの研究会風景写真も飾られる。全員シニアで、学者ではなく民間人の活動。現役引退後の充実した研究人生だろうなと想像する。

 地下1階の常設展示室では現代の物流産業の姿を紹介。米俵を担ぎトラックから貨車に載せる1960年頃の写真に「あったなあ…」と感慨にふける。(矢吹博志)

 ■「物流博物館」(東京都港区高輪4の7の15、(電)03・3280・1616)10~17時(入館は16時30分まで) 高校生以上200円、65歳以上100円 月曜・第4火曜日(祝日・振替休日の際は翌日)、祝日の翌日、年末年始休館

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