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【こんな時代のヒット力】受け継がれる1枚の写真と手紙が支えに 商品化までに10年かかった花王「キュレル」 (1/2ページ)

 1970年代、家事が原因で手や肌が荒れる主婦が多かった。花王(東京都中央区)では、10年以上の歳月をかけ、原因の研究を始めた。

 その結果、85年、皮膚の角層にある「セラミド」が、保湿機能として重要であることを突き止めた。肌を守るバリア機能が低下し、普通の肌の人が使うようなクリームを使うと、肌が赤くなったり、かゆくなったりするなど、通常より肌が敏感だが、病院へ行くほどではない。そんな境界領域にある状態を、花王は「乾燥性敏感肌」と定義した。

 敏感肌用ボディーケア『キュレル』はその対策として、開発された。敏感な人が使うため、開発は何度もテストを繰り返し慎重に行われた。商品化まで10年かかり、99年、発売された。

 当初は、「敏感肌」という概念が一般的ではなく、「肌トラブルを繰り返しがちな人は乾燥性敏感肌かもしれない」「敏感肌を考えたスキンケアが重要」などメッセージは、概念の説明から始まった。

 啓発冊子を作成し、商品情報だけではなく「乾燥性敏感肌はセラミドが不足しがち」など、皮膚科学の知見を広めた。また、同社で「学術活動」と呼ぶ、全国の皮膚科医、薬剤師・看護師との啓発活動や共同研究、専門家を通じたサンプリング活動を中心に行った。現在では、全国で4000人以上の専門家、皮膚科医が推奨している。

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